2025.03.24

人材育成中の適切なコミュニケーションの取り方とは?部下育成のための5つのポイント

人材育成中の適切なコミュニケーションの取り方とは?部下育成のための5つのポイント

育成担当者として後輩や若手社員、新入社員への人材育成を成功させるには、教育施策だけでなく、育成対象者とのコミュニケーションに注力することも非常に重要になってきます。

そこで今回は、全国に14,000社以上の会員企業様を抱え、中小企業の経営や人材育成を幅広く支援してきた日創研が、人材育成の際の適切なコミュニケーションの取り方について、人材育成におけるコミュニケーションの重要性と一緒に解説していきます。

人材育成に注力しているものの、育成対象者である部下や後輩社員との適切なコミュニケーションの取り方や距離感がわからず、お悩みの管理職や経営者の方、また人事担当者の方は、ぜひ参考にご覧ください。

人材育成におけるコミュニケーションの重要性とは

まずは、人材育成を成功させるためになぜコミュニケーションを重要視する必要があるのか、その理由について確認していきましょう。

人材育成では、育成担当者となる上司や管理職、先輩社員が、育成対象者となる後輩や部下、若手社員、新入社員に対して、具体的な指導や学習・業務の進捗管理を行うことになります。

育成対象者には育成担当からの指導や注意を受け入れ、自らの言動を改善することを通して、少しずつ成長してもらわなければなりません。しかし、コミュニケーション不足が原因で育成担当者と育成対象者との間に基本的な信頼関係が築けていないと、何をどう伝えても聞き入れてもらえず、人材育成そのものが滞ってしまう恐れがあるのです。

また人材育成の目的は、組織全体の経営戦略や解決を目指すべき課題によって変わります。そのため人材育成の成功には「会社が置かれた現状を常に把握しておくこと」も欠かせません。

刻一刻と状況が変化する中で、会社が置かれた状況や人材育成の方向性、目的、目標等を適切に把握して施策を進めていくには、育成担当者と育成対象者が密にコミュニケーションを取り合い、お互いに現状確認をし続けることも重要になってきます。

コミュニケーションを通して信頼関係を構築すること、また築いた関係性を維持する努力を怠らないことは、人間関係の基本であり、人材育成成功の土台となります。人が人を育てていく以上、適切な方法や密度でコミュニケーションを取ることが人材育成においてもとても重要になると理解しておきましょう。

コミュニケーションの最適化による人材育成上のメリット

人材育成の際に、育成担当者と育成対象者の間のコミュニケーションを最適化することによるメリットの具体例としては、以下のようなことが挙げられます。こちらも、人材育成においてコミュニケーションが重視される理由と併せて、確認しておきましょう。

  • 育成対象者から育成担当者へ、相談や提案等について声をかけやすくなる
  • 業務上必要な報連相が円滑に行われるようになり、仕事の効率が向上する
  • 上司が部下の変化に気づきやすくなることで、重大なミスの発生を予防しやすくなる
  • 育成担当者・対象者だけでなく、チーム全体の人間関係の向上効果も期待できる
  • 仕事へのモチベーションや組織へのエンゲージメントが高まり、定着率が上がる

人材育成の際にしてはいけない!NGコミュニケーション例

人材育成の際にしてはいけない!NGコミュニケーション例

人材育成におけるコミュニケーションの重要性や、育成担当者・育成対象者間のコミュニケーションを最適化するメリットがわかったら、次は、人材育成の際に避けるべき「NGなコミュニケーション」の具体例について見ていきましょう。

まず1つ目は、育成担当者から育成対象者へ、一方的なコミュニケーションを取ることです。

具体的には、育成担当者が話したいこと・伝えなければならないことだけを一方的に話し続けたり、育成対象者の話を聞いている時に目を見ない、体を向けない、リアクションを取らないなど傾聴の姿勢を見せずに対応することが挙げられるでしょう。

そして2つ目は、育成担当者が一貫性のない発言や行動をすることです。基準がはっきりしないこと、日によって違うことを言われるなど一貫性のない指導・教育をされると育成対象者は混乱し、育成担当者や会社に対して不信感を持つようになります。

効果的に人材育成を進め、成功させたいと考えているなら、上記のような対応は避けるようにしてください。

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人材育成時のコミュニケーション不足によって起こること

育成担当者から育成対象者に対し、良くない方法や内容でコミュニケーションを取り続けると、人材育成に以下のような悪影響を及ぼす可能性が高くなります。これから自社の人材育成に注力するなら、コミュニケーションを疎かにすることのリスクについても、しっかりと理解しておきましょう。

  • 業務上必要な情報の共有がスムーズにいかなくなり、仕事の効率が低下する
  • ミスコミュニケーションによる重大なトラブル、ミスが発生しやすくなる
  • 育成対象者が人間関係に悩みを抱えるようになり、退職につながることも

人材育成中にコミュニケーションを取る時のポイント5つ

人材育成中にコミュニケーションを取る時のポイント5つ

ここからは、上司や育成担当者として人材育成の対象者とどのようにコミュニケーションを取るのが望ましいのか、そのポイントや注意点について紹介していきます。育成対象者と円滑にコミュニケーションを取るために意識してほしいポイントとしては、大きく以下の5つが挙げられるでしょう。

パートナーシップを意識し、部下からも学ぶ姿勢で接する

上司と部下、教える側と教わる側という構図になることから、自身と育成対象者との間に上下関係があると考えてしまう育成担当者は少なくありません。しかし「後輩や部下に教える」という意識は、一方通行なコミュニケーションを引き起こす一因となるため、注意が必要です。

育成担当者側も、育成対象者と接する中で教わること・気付けることはたくさんあります。

このことを念頭に置き、人材育成の際は「自分がパートナーとして、成長を支援していく」という意識で育成対象者に接してみてください。そうすれば上司や部下、育成担当者と育成対象者という階層だけに捉われることなく、育成対象者本人の個性にも目を向け、お互いに学びを得ながら良好な関係を築いていくことができるでしょう。

ツールを使って1対1でのコミュニケーションの質を高める

1日の業務時間のうち、育成担当者が育成対象者の指導やコミュニケーションに割ける時間は限られています。そのため1対1で話す時には、短い時間で質の高いコミュニケーションを取り、以下のような点を一緒に確認・共有して、効率的に人材育成を進めることが求められます。

  • 育成対象者が目指すべき姿、あるべき姿
  • 育成対象者が達成を目指すべき目標、目的
  • 目標や目的の達成地点から見た育成対象者の現在地、抱えている課題 など

人材育成の効率や効果を高めるには、目標管理シート等のツールをうまく活用するのがおすすめです。目標管理シートがどのようなものか、人材育成に活かすための使い方や書き方の例は以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひこちらも併せてご確認ください。

育成対象者に対し、いつも誠実な態度で接する

先述した通り、その時の気分や状況によって伝える内容を変えると、指示や指導内容に一貫性がなくなり、育成対象者に不信感を抱かれてしまいます。そのため育成対象者と接する際は、明確な基準と根拠を持って発言する、相手のことを考えた振る舞いをする、自身に非があった場合はきちんと謝るなど、ひとりの人間として誠実に対応しなければなりません。

誠実な対応は人間同士が信頼関係を築くための基本ですが、上下関係や日々の忙しさに捉われていると忘れてしまいがちです。人材育成の土台が人間関係にあり、その人間関係を築く方法がコミュニケーションだということを、決して忘れないようにしてください。

人材育成やマネジメントに役立つスキルを活用する

育成対象者と双方向的にコミュニケーションを取り、良好な関係のもとで効果的に人材育成を進めていくには、傾聴や質問等、コミュニケーションのコツを押さえておく必要があります。

一般的にコミュニケーション円滑化のコツは、人材育成やマネジメント業務などの実践経験を通して身についていくものですが、人材育成成功のために早く身に着けたい、きちんと学んでおきたいという場合は、学習して習得することも可能です。

コーチングやティーチングなど、人材育成やマネジメントを行う上で役立つスキルや資格については、以下の記事で詳しくご紹介しています。育成対象者とのコミュニケーションの取り方に悩み、学習してスキルを身に着けたいと考えている場合は、こちらも参考にご覧ください。

コミュニケーションが取りやすい組織作りをする

人材育成においては育成担当者・育成対象者の二者間だけでなく、所属するチームや部門・部署など、組織単位でのコミュニケーションも大切になってきます。

自身が育成対象者に傾聴の姿勢を示し、意見を言いやすい関係性を築くだけでなく、育成対象者が他の先輩や同僚からも学びを得られるように、積極的に情報供給や意見交換ができる組織風土・チーム作りを推進しましょう。

人材育成もコミュニケーションも、双方向的に行うのが大切

人材育成もコミュニケーションも、双方向的に行うのが大切

コミュニケーションによって信頼関係を築くことは人間関係の基本であり、それは人材育成においても変わりません。そのため人材育成中のコミュニケーションも、教える側である育成担当者から育成対象者へ一方的に行うのではなく、お互いが双方向的に行う必要があるのです。

人材育成は育成担当者と育成対象者が良きパートナーとなり、相互に学びを得られる関係性を築いてこそうまくいくと考え、コミュニケーションの質や方法を見直してみてくださいね。

なお日創研では、経営者や管理職、リーダーなどマネジメント職に当たる方を対象に、上司と部下がお互いに教え合い、学び合える組織を構築するためのスキルの体得を目指す「企業内マネジメントコーチング6か月プログラム」を開催しています。

人材育成に注力することをきっかけに、自社をラーナードリブンな(主体的に学ぶ)組織へと変えていきたいとお考えの経営者の方、幹部社員の方は、ぜひ日創研の「企業内マネジメントコーチング6か月プログラム」の受講をご検討の上、お気軽にご相談ください。

企業内マネジメントコーチング6か月プログラム

質問や承認などで部下の意欲や行動を引き出し、結果をつくる人材を育てる手法がコーチングです。前向きで行動的な部下を育てたい上司には必須です。

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